アルファ ロメオ155 エアコン修理
△エアコン不良 (冷風が出ない)
という不具合でのご入庫です。
冷えない原因としてはガス漏れです。
注)ガス漏れはトラブル(故障)です!
1年に1回補充するというのは当然ではありません。
きちんと修理しないと、結局は後々に高額な修理代がかかる事になります。
まずはガス漏れ箇所の特定です。
前回の点検時にグロー液を注入済みなので、楽に確認と特定ができました。
UVランプで照らすとグロー液(蛍光剤)が光る。
コンプレッサーからと (写真左)
高圧ホース/パイプからの漏れです。(写真右の赤丸部分)完全に腐食しています
まずは、ホース/パイプから修理していきます。
残念なことに、日本では部品は欠品。 本国でも生産終了・・・
では、造ってしまいましょう。
通常のホースなら
・角度(ストレート/45度/90度)
・太さ (基本的には3種類)
・ピッチ(ネジ山 ミリ/インチ)
汎用のフィッティングを選択して
ホースの長さを合わせれば、簡単に造れます。
ただ、今回は交換するホースの形状が特殊だったので
少し手間がかかりました。
オリフィスチューブ* を装着する部分だったので、汎用のフィッティングが使用できません
*(通常「エキスパンションバルブ」という冷却効率にとても重要な役割を担うパーツ)
いくつかの選択肢のなかから、今回は現物修理でやることにします。
腐食してガス漏れしていた接続部のねじ山部分の修理です。 (写真右の左の黒丸部分)
・トヨタ/マーク2(GX71系)のコンデンサーの接続部リペア用のパーツを流用して、溶接で交換します。
カシメるときに返しになる部分の交換 (写真右の右の黒丸部分)
・日本メーカーの部品はそうでもないけど、外国製だと返しのツメが甘くて、
すぐにガス漏れしてしまうことが多い。
今回のように、現物を修理する時は、汎用のフィッティングの返しの部分を移植する。
オリフィスチューブを新品に交換して出来上がり。
「豆知識」 オリフィスタイプのエキパンを使っているメーカー、例えばGMやフォード、ボルボなど・・
互換性ありで、品質に差がないんだけど、値段が各メーカーや車種によってバラバラです。
なら、1番安いメーカーのを使用したほうがお得ですね
今回はデルコ製を使用です。
次はコンプレッサーの修理です。
サンデン製で、 シャフトシールからのガス漏れなので
・現物修理(シールの交換のみ)
・現物O/H(分解、洗浄、シール類の交換、メカニカル部の調整)
と、修理方法はありますが、
お客様さまと相談の結果
新車で購入し、すでに走行距離10万キロを越えいるし、まだまだ乗り続けたいし
心配のないようにという事で
新品コンプレッサーでの交換になりました。
交換は、というと・・・結構タフでした。
真空引きガスチャージをして
冷え冷えを確認できたら
ロードテスト後に再度、漏れの点検をして
修理完了です。
とても、オーナー様に愛されている 幸せなアルファロメオ155です。
日本中を155で走り回っているようです。
奥様の75と一緒に
これからも沢山の思い出を、つくっていくことでしょう。
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